1970年代から現在にかけて、日本では宗教、オカルトブームが起こった。例として、超能力によるスプーン曲げや、『エクソシスト』をはじめとするオカルト映画の流行、『ノストラダムスの大予言』(五島勉著)がベストセラーになったこと、新たな宗教団体が多数できたことがあげられる。メディアがオカルト的な話題を大々的に取り上げ、視聴者に多く提供し、人々はそれに飛びついた。そして、それらは人々が飽きると時の流れとともに消え、忘れられていった。しかし、当時メディアに取り上げられブームとなったが、そのまま忘れ去られなかったものがある。それは「水子供養」である。今回、水子供養の始まりと、どのように人々の間に浸透していったのかを考え、なぜ現代まで続いているのかを考えていくことにする。
1970年代から現在にかけて、日本では宗教、オカルトブームが起こった。例として、超能力によるスプーン曲げや、『エクソシスト』をはじめとするオカルト映画の流行、『ノストラダムスの大予言』(五島勉著)がベストセラーになったこと、新たな宗教団体が多数できたことがあげられる。メディアがオカルト的な話題を大々的に取り上げ、視聴者に多く提供し、人々はそれに飛びついた。そして、それらは人々が飽きると時の流れとともに消え、忘れられていった。しかし、当時メディアに取り上げられブームとなったが、そのまま忘れ去られなかったものがある。それは「水子供養」である。今回、水子供養の始まりと、どのように人々の間に浸透していったのかを考え、なぜ現代まで続いているのかを考えていくことにする。
「水子」とは、流産や死産、人工妊娠中絶によって死亡した胎児のことである。本来は「すいし」と読み、戒名の下につける位号であった。先程、水子供養はオカルトブームのひとつであったと述べた。水子供養は昔からの日本の伝統的宗教儀礼だと思われがちであるが、多くの寺院は水子供養を70年代以降から執り行っている。しかしこれは、オカルトブームによっ...