DT反応とは重水素(デューティウム)一三重水素(トリチウム)反応のことである。重水素とは1つの陽子と1つの中性子からなる水素の安定な同位体である。水の中には D_2O あるいは DHO の形で含まれており、普通の水の中には 0.015 % の割合で重水が含まれている。三重水素とは1つの陽子2つの中性子からなる水素の同位体である。半減期 12 年の放射性同位体で,自然界にはほとんど存在しない。DT 反応は、低い温度で反応し,反応率も高い(反応率最大7億度)。
環境・エネルギー概論 レポート
【問】 DT反応磁場封じ込め型核融合炉の原理を説明せよ。
DT反応磁場封じ込め型核融合炉の原理
DT反応について述べた後、磁場封じ込め型の原理について述べる。
A DT反応について
DT反応とは重水素(デューティウム)一三重水素(トリチウム)反応のことである。重水素とは1つの陽子と1つの中性子からなる水素の安定な同位体である。水の中には D_2O あるいは DHO の形で含まれており、普通の水の中には 0.015 % の割合で重水が含まれている。三重水素とは1つの陽子2つの中性子からなる水素の同位体である。半減期 12 年の放射性同位体で,自然界にはほとんど存在しない。DT 反応は、低い温度で反応し,反応率も高い(反応率最大7億度)。
反応式: * D + T -> He4 + n + 17.6 MeV
B 磁場封じ込め型について
プラズマを構成する粒子、即ち電子とイオンは磁力線に巻き付き、磁力線の方向に自由に動く性質がある。またプラズマはより弱い磁場(極小磁場)の領域にたまり込む性質を持っている。このようなプラズマの磁場中の性質を利用した閉じ込め方式には磁力線の閉じた系と解放端系に分類される。以下、それぞれについて説明する。
(1)閉じた系
(a)プラズマ電流系:トカマク、コンパクトトーラス、スフェロマク、逆転磁場配位の型
(b)無電流系(外部導体系):ステラレーター、ヘリオトロン、トルサトロン、立体磁気軸系の型
の2種類がある。磁力線の閉じた系では、トロイダル磁場とプラズマ電流の作るポロイダル磁場の合成で、一本の磁力線はら旋上の回転変換を受け、閉じた閉曲面を構成する。磁力線に巻き付いたイオンや電子は磁力線方向に自由に動き衝突ではじき飛ばされるまでは閉じた閉曲面内に滞在する。磁力線をら旋状(回転変換という)にするためにプラズマ内部を流れる電流を用いるのが(a)では共通している。この方式はコイル系の配置が中心軸に対称であることから[軸対称系]と総称される。(b)の方式は外部のコイルをら旋状にして磁力線に回転変換をえている。この方式ではヘリカル軸にたいしてコイル配置は対称であり[ヘリカル対称系]と総称される。この方式は磁気面に原理的に厚みができるが、定常閉じ込め磁場の形成の点でプラズマ電流系より優位である。
(2)解放端系
解放端系ではミラー型がある。 解放端系ではプラズマはより弱い磁場領域にたまり込む性質を利用している。ミラー方式では両端のコイル近傍では磁場は強くなる。無限大の磁場がコイル直下にできれば磁場は完全にプラズマを追い返し、中心領域にプラズマを閉じ込めることができるが、現実の有限の強さの磁場では端部から粒子が漏れでる。そこで 図1 に示すように、端部に工夫を加えた方式をタンデムミラーと呼ぶ。
注) 図は次ページにあります。
参考文献
脱原発入門講座 : http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/index.html
FAPIG : http://www.fapig.com/
原子力百科事典 : http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/
Wikipedia : http://ja.wikipedia.org/wiki/