ハヴィガーストの発達課題について述べよ。
アメリカの教育学者ロバート・J・ハヴィガースト(Robert James Havighurst, 1900 - 1991)は、人間発達と教育の問題に取り組み、児童教育から高齢者のエイジング適応問題まで、幅広いテーマで活動、研究を行った。著書、編著書は、45冊強を数え、その最も有名な著書、『人間の発達課題と教育』(Human Development and Education, 1953)で人間の発達課題について提唱した。
発達課題とは、人間が発達段階において習得することが必要な課題のことであり、ハヴィガーストは次のように述べている。「個人が学ばなければならないもろもろの課題、すなわち生涯の発達課題は、われわれの社会において健全な成長をもたらすものである。発達課題は、個人の生涯にめぐりいろいろの時期に生ずるもので、その課題をりっぱに成就すれば個人は幸福になり、その後の課題も成功するが、失敗すれば個人は不幸になり、社会で認められず、その後の課題の達成も困難になってくる」。
また、彼はこの発達課題という考えは教育にとって有益であるとし、二つの理由...