ニュージーランドでは養鹿産業が確立され、鹿肉が高級食材として輸出されているという。しかし、2004年9月24日の道議会で「エゾシカも畜産業の一環として『特用家畜』としての法整備を国に要望し、高品質鹿肉の衛生的・安定的な供給が可能な養鹿について検討すべきだ」という意見に対し、高橋はるみ知事は
「獣医師の役割―食品(食肉)衛生の向上に―」
講義の最後で紹介された、今秋から始動するという北海道のエゾシカを有効活用するモデル事業について調べて
みた。
エゾシカの生息数増加に伴い、牧草や樹皮などに深刻な食害が広がっており、その被害額は 2003 年度で約 28 億
円。道は猟期の延長や集中駆除を実施しているが、ハンターの高齢化などで捕獲は進まず、エゾシカの増加に追い
ついていけない状態だという。
そのエゾシカを食材として活用しようと、道内各地でさまざまな取り組みが今まで進められてきた。十勝管内足
寄町では,エゾシカ肉の冷凍ブロック,小口スライスパックの販売を開始しているし、日高管内静内町ではより本
格的な取り組みが推進されている。
日高地域は、道内有数のエゾシカ生息地であり、エゾシカによる農林業被害が深刻で、加えて、夜間のエゾシカ
飛び出しによる交通事故の発生や軽種馬牧場内での軽種馬誤射事故などが多発しており、エゾシカ対策が急務な状
況となっているという。
このような中、静内食美樂では、管内で増え続けるエゾシカを地域経済活性化に利用できないかと考え、同時に、
低迷する軽種...