略題 体育科指導目標の変遷
戦後から現在の体育科指導目標の変遷について、その時代背景にある教育思想や社会のニーズを踏まえながらまとめよ。
昭和22年の学習指導要綱においては、戦後のアメリカ主導の民主化政策の影響を受け、小学校でも軍国主義を排除し民主的な態度を育成することが目標として掲げられている。そのため、伝統的な武道の廃止と、教師の号令で生徒が行動する体操が廃止され、スポーツやダンスによる個々の能動的な行動を育てることが体育科の指導目標とされた。しかし、戦後の国内の混乱と、GHQによる一方的な指示の元で作成された指導目標であったため、国民性や国内の現状に合わない部分が多く、本当の意味での民主的な態度を育てるための教育へは至らなかった。そこで、昭和28年の学習指導要領では、国民性に合わなかった部分の修正が行われた。
昭和28年の学習指導要領では、身体の発達と民主的な態度の育成を主な目標として掲げ、さらに昭和22年の学習指導要綱がアメリカ主導だったために目標達成できなかった部分について修正を行い、学年や目標ごとに細かな具体的目標を設定している。具体的目標は主に「身体的目標」と「民主的...