1. はじめに
平成17年に成立した「会社法」の特徴と、それが企業経営のあり方にどのような意味や影響を持つかについて、以下に5つのキーワードにそって述べる。
2. 株式会社と有限会社の統合
会社法では、有限会社を株式会社に統合し、株式の譲渡制限をしている閉鎖的な株式会社については有限会社同様の緩やかな規律を認め、定款によって会社機関を自由に設計できるようにした。つまり、「株式会社」という名称のものであっても、そこに従来の有限会社の形態も認めたものである。ただし、既存の有限会社は継続できるが、新たに有限会社を設立することは不可能である。
3. 最低資本金規制の撤廃
会社法では、最低資本金規制自体が撤廃され、すでに1円会社(平成15年施行の中小企業挑戦支援法により、設立後5年間に限り最低資本金規制の適用を受けないという特例が設けられ、実際、資本金1円で設立された株式会社や有限会社が出現した)として設立されていた会社はそのままの形で存続できるようになった。ただし、資本金額にかかわらず、純資産額が300万円未満の場合、剰余金があってもこれを株主に分配することはできないとされた。これは、有...