医学概論 認知症

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       認知症について
    1. 認知症とは
     認知症とは、後天的かつ病的にいったん獲得された知能が持続して低下した状態の事であり、先天性または発育期に起こる精神発達遅滞(知的障害)や老化による知能低下とは異なる物である。かつてこの病態は痴呆と呼ばれていたが、「侮蔑的な表現である上に、『痴呆』の実態を正確に表しておらず、早期発見・早期診断などの支障となっている」との理由から、2004年12月の厚生労働省の検討会を経て認知症という用語が導入された。
     しかし、「病態を具体的に表現していない上に認知という用語に誤解を生じるのではないか」との有識者からの反対意見もある。というのが、認知とは「自らが獲得している情報を元に生活体が外界の情報を能動的に収集・処理する過程」のことであり、認知は正常に働いていてこそ健常な状態である。ところが、認知症なる用語には認知機能がどうなっているのかが全く表現されておらず、あたかも認知することが悪いかのごとくの印象を与える。実際に街行く若者が何かをど忘れしてしまったことを「俺、認知しちゃったよ」と表現しているシーンに何度か出くわしたことがある。反対意見を述べている方たち...

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