ポスト・モダン時代におけるITの役割

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    資料紹介

    1.はじめに
    20世紀後半、日本人が掲げてきたものは効率主義や、品質の向上であり、その目的のためにひたすら突き進んできたように思われる。これからもこれらを軽視してはならないが、しかし21世紀を迎えた今こそ、新たな価値を発見し創造する知恵を求めなければならない。その際、文化とともに大事なのが認識・思考の潮流でもある。つまりどのような思想を基にした価値体系をなしているかである。そして最近、社会・文学・日常生活全般にかけ、ポスト・モダニズムがよく使われている。このポスト・モダニズムが、何を意味するか、どのような特徴を持っているかを理解することによって現代人の生き方、価値観などを探ることもでき、あるべき人間像と社会を認識できると思うのである。
    一方、インタネットを中心としたIT(情報技術)の発展は、消費者や企業に情報交換の空間的・時間的制約から解放を体験させた。それによって取引などのいわゆるEコマースが実現し、企業に国際間の取引や国外生産の拡大をもたらした。ITはグローバルな市場経済化の流れを一層加速させている。しかしITの持つ本質はそれだけではなく、より広い視覚で人間が情報の主体になり、多様性と多元性をもって新たな価値を創造することである。
    本稿では、それをポスト・モダニズムの認識と理解からなる人間らしさの回復と実現を、社会・文化・経済全般にかけて進んでいるIT化(情報化)の役割と関係付け究明する。

    2.ポスト・モダンの時代
    ポスト・モダニズムの概念
    ポスト・モダン(Post Modern)とは、モダンの後にくる、あるいはモダンを乗り越えた時代を表す言葉である。それは、モダニズムの発想が現実を捉えられなくなった時代を総称する言葉でもあり、主に高度に発展した先進社会における知と意識の現在の状況である。

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           ポスト・モダン時代におけるITの役割
    〔要約文〕
    時代の思想としてポスト・モダニズムがある。これは効率を強調する機能主義思想を超え、また、物質的豊饒や合理的努力、啓蒙などを否定し、自己表現、個性、自己満足などを強調し、多元性と多様性を持って表現される。一方、経済・産業中心に進まれたIT化は、本来の本質の概念を持って、人間をより人間らしく、自我実現と追求のためのものとして、ポスト・モダニズムと関係深い。
    このようなIT化による情報社会は、モダニティの合理主義と理性主義を認めながら人間の基本的な欲求と個人的な欲求を尊重し、さまざまな問題解決の方案を提示しており、これにより個人の多様な欲求を分析し、社会的な欲求体制として表せ、多くの人々により価値のあるものを提案するシステムを作り上げるべきである。
    いま、ヴァーチャル・リアリティを始め、IT化への総体といえるユビキタス概念が重要性を増して行くが、IT化はこのような人間の再発見のための人間の自我実現、多元的・分散的な個性の欲求実現のための手段として期待できるのである。
    目次
    1.はじめに
    2.ポスト・モダンの時代
    3.IT社会への...

    コメント1件

    hrm12ch 購入
    とても参考になりました。
    2006/12/27 21:36 (17年10ヶ月前)

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