死刑制度と憲法を考える

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    資料紹介

    1.はじめに
     死刑制度は私が生まれたときには既にあり、当たり前の制度として認識していた。しかしよく考えれば、人を殺すことに変わりはなく、それが国家によって行われていることに違和感を覚えるようになった。日本では憲法によって基本的人権が守られていることになっている。しかし本当にそうなのだろうか。死刑制度は憲法の十三条と三六条に矛盾しているといえないだろうか。その意味で日本では本当に人権が守られているのか疑問に思う。日本では2004年には2人が死刑によって亡くなっている。
     死刑制度と憲法、また人権について考えてみたい。
    2.死刑制度と憲法
     日本国憲法十三条に「すべて国民は、個人として尊重される。生命自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定されており、三六条では、「残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と規定している。死刑は国家によって人の命を奪い、その存在を抹消する刑罰だ。死刑制度は「個人の尊重」と「生命権の保障」に反し、「残虐の刑罰」にあたる人権侵害なのではないかと思う。
    3.死刑廃止に向けた世界の動き
     毎年多くの国で死刑制度が廃絶されている。約100年前の1899年にはコスタリカ、サンマリノ、ベネズエラのたった3つの国だけが恒久的に死刑を廃止していただけであったが、その数は徐々に増えはじめた。1998年に国際人権委員会はすべての加盟国に対して「死刑を完全に廃止するという観点から、死刑執行を停止する」ように要求し、66カ国によって協同決議された。

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    死刑制度と憲法を考える
    1.はじめに
    死刑制度は私が生まれたときには既にあり、当たり前の制度として認識していた。しかしよく考えれば、人を殺すことに変わりはなく、それが国家によって行われていることに違和感を覚えるようになった。日本では憲法によって基本的人権が守られていることになっている。しかし本当にそうなのだろうか。死刑制度は憲法の十三条と三六条に矛盾しているといえないだろうか。その意味で日本では本当に人権が守られているのか疑問に思う。日本では2004年には2人が死刑によって亡くなっている。
    死刑制度と憲法、また人権について考えてみたい。
    2.死刑制度と憲法  日本国憲法十三条に「すべて国民は、個人として尊重される。生命自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定されており、三六条では、「残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と規定している。死刑は国家によって人の命を奪い、その存在を抹消する刑罰だ。死刑制度は「個人の尊重」と「生命権の保障」に反し、「残虐の刑罰」にあたる人権侵害なのではないかと思う。 3.死刑...

    コメント1件

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    第13条は、公共の福祉の制限のもとではあるが、最大限の尊重を要すと規定しているところ、個人の尊重、幸福追求権が無制限に拡大されるのも望ましいものではない。特に死刑とは、厳正なる司法権の発動のもと、確たる証拠によって確定されたものであるから、個人の幸福追求権が最大限の尊重を要すとしても、制限に服せざるを得ない。
    第36条は公務員による残虐な刑罰などを禁止する規定である。しかし残虐な刑罰とは多分に相対的な概念であり、仮に軽い罪にもかかわらず死刑を適用することは残虐であると解するに疑いないが、重大な罪、すなわち殺人などの場合に限定して死刑は適用されるものである。とするならば、相対的に死刑とは釣り合いがとれ、必ずしも残虐でな刑罰とは言えない。
    憲法31条は法定手続の保障を定めている。「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」
    この条文を字句のまま反対解釈をすれば、法の定める手続によれば、生命自由を奪われ、その他刑罰を科せられることになる。もちろん個人の尊重のため、比例の原則など各種原則は守られるべきではあるが、憲法としては、死刑を容認していると解するのが妥当であるといわねばならない。
    2008/07/04 16:43 (16年5ヶ月前)

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