国際私法
「より密接な関係がある地の法による」というルールを立法化する意義について、論じなさい。
-----------------------------------------Ⅰ序論
「より密接な関係がある地の法による」というルールとは、1842年サヴィーニによって書かれた
「現代ローマ法体系」第8巻において提唱されたことから端を発し、その著作によると、個人にその
生活の本拠があるように私法的法律関係にも「本拠」と言うべき法域があり、それを常に適用する
ことによって、どこで裁判がなされても同じ結果がもたらされる点が強調され、国家と市民社会とを
切り離すことによって、市民社会には特定の国家法を超えた普遍的な価値に基づく私法があり、
これはどこの国でも相互に適用可能なものであると考えた。それ以前の国際私法理論は、ルネッ
サンス期の法律学の中から誕生した法規分類説が主流であった。この法規分類説とは、「物法」
に属する物権に関する規定は、事案に関係する当事者の如何に関らず、自国領域内でそれが問
題となったのであれば、自国法を常に適用するということであり(属地的適用)、他方で「人法」に
属す...