~京都メカニズム 排出量取引について~
現在世界で最も注目されている環境問題はと聞かれると、多くの人が「地球温暖化」と答えるだろう。では我々人類は温暖化を防ぐためにどのような対策を行っているのだろうか。温暖化を防ぐには、二酸化炭素などの温室効果ガスの削減が不可欠であるが、1997年12月11日に京都市で開催された地球温暖化防止京都会議(第3回気候変動枠組条約締約国会議、COP3)では具体的に各国の温室効果ガスの削減目標を決めた。またその際、他国の排出権を購入したり、他国の温室効果ガスの削減に寄与したりすることによって、自国の削減分に組み込むことができるという京都メカニズムが提案された。なかでも排出権を売買する排出量取引はユニークで、効果が期待できるとして大変注目を集めた。それでは「排出量取引」とはどのようなものなのか。
「排出権取引」の基本的な考え方は次のようなものである。まず、特定国における政府が汚染物質の総排出量を決定する。次に、政府が総排出量に相当する排出許可証を発行する。排出許可証には当該汚染物質の特定期間当たりの排出可能量が明記されている。当該国において、当該汚染物質...