「連帯債務と連帯保証について」
はじめに
民法は、平等な私人間の法律関係を規律する目的で作られ、法律よりも互いの自由意思で作ったルールの方が優先する場面が債権法の分野には多くある。
そして、民法は我々の持つ法律上の権利を、大きく物権と債権に分け個人の自由意思による自治を考えているのである。
人は様々な債権を自由に作り出すことでき(債権の自由創造性)、それは、債権の性質が契約の締結などによる当事者間だけを拘束する効力しかないという債権の相対性と密接に関連しているのである。
本レポートでは、Ⅰ、連帯債務 Ⅱ、連帯保証 Ⅲ、共通点と相違点 の順で説明し、最後に、Ⅳ、債権者の保障度 について考察を加えていく。
Ⅰ、連帯債務
法律の規定または契約によって成立する連帯債務とは、数人の債務者が、同一内容の可分給付について各自独立に全部の債務を負い、そのうちの1人の給付があれば、他の債務者も債務を免れる多数当事者の債権債務関係、と定義される(民法432条~445条)。連帯債務では、複数の債務者がそれぞれ債務の分割された一部ではなく、全部について給付義務を負うため、債務者のなかに1人で...