アジアや中国における地域研究は、日本も属しているアジアの研究であるために、非常に重要なものであるとともに、ともすれば安易になりがちである。(中略)さて、その地域を研究するにあたってやはり重要視されるべきなものは現地言語をマスターした上での現地調査であることは言うまでもない。日本国内で考えるとつい日本の尺度や、研究者自らの価値判断や論理でものを見がちである。現代政治学の概念は欧米に端を発するものであるが、そのようや政治理論を当てはめようとしても通用しないことも多い。その地域の内面に向き合うことが重要で、研究の真の対象は国内問題にこそ存在するのである。
地域研究におけるアジア・中国
アジアや中国における地域研究は、日本も属しているアジアの研究であるために、非常に重要なものであるとともに、ともすれば安易になりがちである。さらにアジア・太平洋戦争における日本の侵略(自民党の政治家や右翼や日本遺族会が何といおうが、侵略であることは疑い得ない。それをきちんと認めた上で改めてアジア・太平洋戦争とは何だったのかを考える必要がある)の過去の存在から、現地の人々の反発もあり、及び腰になることも場合によっては考えられる。また、日本人は、たとえば長年の歴史を誇る中国文化に対する尊敬やあこがれを持つ一方、明治維新以後、アジアでもっとも早く工業化に成功したこともあって、脱亜的考え、すなわちアジア諸国を蔑視してしまうこともある。これでは研究がうまく行くはずもなく、双方の不信が増すのみである。研究の際にはこのような古くからある日本人の考えに偏る危険は排除せねばならないだろう。
さて、その地域を研究するにあたってやはり重要視されるべきなものは現地言語をマスターした上での現地調査であることは言うまでもない。日本国内で考えるとつい日本の尺度や、研究者自らの価値判断や論...