今回は神奈川県横須賀市の横須賀美術館にある谷内六郎館の作品を教材として取り上げる。
1.とりあげた理由
小学校高学年の児童は、一人一人の感じ方や見方などが育つと同時に、物事を他者や社会的な視点からとらえるようになる。このため自分の体験したことを伝えることで他者と体験を共有したり、自分の認識を広げたりすることができるようになる。
鑑賞活動では、形や色から分析的に見たり、意図や気持ちなどを読み取ったりするなど、作品などを深くとらえることができるようになる。また、社会的な視野の広がりから美術作品などに対しても親しみをもってとらえることができるようになる。
今回の作品の「ないしょのスイカ」だが、1枚の絵から様々な情景を読み取ることができる。今回の教材は、親しみやすい作品であるため、児童の知的好奇心や想像力を大いに煽る。
2.表現の意図
今回の作品「ないしょのスイカ」の舞台となる、小さな漁港はポッカリとした静けさを保っている。それは時々ゆれる波が光の波紋を埠頭に映す位で、船もゆっくり休んでいるようである。
舞台となる長閑な港は子供の遊び場である。そこに小さい子どもが来たので、急いでスイカを帽子の...