行政活動に裁量が認められるとき、これが適法に行われるためには、どのような観点に注意しなければならないか。
1、法律の行政原理からすれば、行政権を規律する法律はできるだけ厳格で、その要件、効果が明確であって、行政権に判断や行動の余地を認めず、行政権は全く法律を執行するにとどまる場合(「覊束」された状態)が望ましいと考えられる。
しかし、行政の対象が専門技術的対応や将来的予測等をも含んだ決定を必要とするところから、法律の文言を抽象的なものとして、行政権の判断や行動の余地を認め、行政活動に「裁量」が認められる場合がある。
2、従来、裁量の問題は、行政法理論が公権力の行使に対する...