「精神科リハビリテーションの概念について述べよ」
リハビリテーションの語源はラテン語でre(再び)+habilis(適した)、すなわち「再び適した状態になること」で、本来権利、資格、名誉等の回復、復権の意味で用いられてきた。現代ではリハビリテーションというと一般的に医療、医学的な機能回復訓練を想起するが、医学的な分野は比較的新しく、第一次世界大戦下において、戦争により障害を負った多くの兵士に対する国家の責任として、機能回復、社会復帰を促進するために発展していった。また現代の医学の飛躍的な進歩によって、今までは死に至るような重篤な病気や怪我であっても、後遺障害を持ちながらも生存できるようになった。精神障害においても向精神薬が開発され、適切な服薬管理により社会生活が可能となり、身体的、精神的な障害を持ちながら家庭や社会において生活することを支援するリハビリテーションが重要となってきた。
世界保健機構(WHO)は1968年に、リハビリテーションとは「障害の場合に機能的能力が可能な限りの最高のレベルに達するよう個体を訓練、または再訓練するための、医学的・社会的・教育的・職業的手段を併せ、かつ...