演習中に私たちが調べたのは、武家諸法度の寛永令だった。寛永令は一六一五年の武家諸法度を大幅に改定したもので、三代将軍徳川家光の時代に制定されたものである。新しい時勢に対応するための具体的な規定が定められ、法律による大名の統制はより一層厳しいものになった。
1 文武弓馬の道専ら相嗜むべき事。
4 大名、小名在江戸交替相定むる所なり。毎歳夏四月中、参勤致すべし。従者の員数近来甚だ多し、且は国郡の費、且は人民の労なり。向後その相応を以てこれを減少すべし。但し上洛の節は、教令に任せ、公役は分限に随うべき事。
5 新儀の城郭構営堅くこれを禁止す。居城の隍塁、石壁以下敗(破)壊の時、奉行所に達しその旨を受くべきなり。櫓、塀、門等の分は、先規のごとく修補すべき事。
6 江戸ならびに何国に於てたとえ何篇の事有るといえども、在国の輩はその処を守り、下知相待つべき事。
7 何所に於て刑罰の行わるるといえども、役者の外出向くべからず。但し検使の左右に任せるべき事。
8 新儀を企て徒党を結び制約を成すの儀、制禁の事。
9 諸国主ならびに領主等私の諍論致すべからず。平日須く謹慎を加うるべきなり。もし遅滞に及ぶべきの儀有らば、奉行所に達しその旨を受くべき事。
11 国主、城主、一万石以上ならびに近習、物頭は、私に婚姻を結ぶべからざる事。
13 音信、贈答、嫁娶り儀式、或は饗応或は家宅英作等、当時甚だ華麗の至り、自今以後簡略たるべし。その外万事倹約を用うるべき事。
15 衣装の品混乱すべからず。白綾は公卿以上、白小袖は諸太夫以上これを聴す。紫袷、紫裡、練、無紋の小袖は猥りにこれを着るべからず。諸家中に至り郎従、諸卒の綾羅錦繍の飾服は古法に非ず、制禁せしむる事。
武家諸法度寛永令について 2003.10.12
演習中に私たちが調べたのは、武家諸法度の寛永令だった。寛永令は一六一五年の武家諸法度を大幅に改定したもので、三代将軍徳川家光の時代に制定されたものである。新しい時勢に対応するための具体的な規定が定められ、法律による大名の統制はより一層厳しいものになった。
文武弓馬の道専ら相嗜むべき事。
大名、小名在江戸交替相定むる所なり。毎歳夏四月中、参勤致すべし。従者の員数近来甚だ多し、且は国郡の費、且は人民の労なり。向後その相応を以てこれを減少すべし。但し上洛の節は、教令に任せ、公役は分限に随うべき事。
新儀の城郭構営堅くこれを禁止す。居城の隍塁、石壁以下敗(破)壊の時、奉行所に達しその旨を受くべきなり。櫓、塀、門等の分は、先規のごとく修補すべき事。
江戸ならびに何国に於てたとえ何篇の事有るといえども、在国の輩はその処を守り、下知相待つべき事。
何所に於て刑罰の行わるるといえども、役者の外出向くべからず。但し検使の左右に任せるべき事
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新儀を企て徒党を結び制約を成すの儀、制禁の事。
諸国主ならびに領主等私の諍論致すべからず。平日須く謹慎...