日本法制史 江戸時代の離婚制度

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    資料紹介

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    江戸時代の離婚制度について述べなさい。律令の離婚制度と比較してどのような特徴がみられるかにも注意して答えなさい。


     江戸時代における離婚については、婚姻と同様に、武士と庶民とではその制度が異なっていた。
     まず武士の離婚について、建前はあくまで協議離婚の体裁がとられ、離婚に際して幕府・藩へ離婚の協議が成立したことを届け出ることが必要とされていた。また、夫又は妻が行方をくらましたときにも婚姻が解消された。妻の出奔の場合、夫は、出奔届を提出すればいつでも再婚でき、夫が出奔した場合、妻は当初10ヶ月、後には12ヶ月経過すれば再婚できることになっていた。
     一方、庶民では、夫が妻に「三行半」といわれる離縁状を交付することによって離婚が成立した。この離縁状には、一般的に離婚文言と再婚許可文言が書かれ、「離縁状の授受」によって男女ともに再婚が可能となった。離縁状の授受なしに再婚した場合は、夫も妻も重婚として処罰され、「公事方御定書」によると、重婚の夫は所払い、妻は髪を剃られて親元に帰されることになっていた。また、離縁状は、離婚の証拠となるものであるから、夫も妻から「返り一札」といわれ...

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