玉川 通信 教育学
本稿では今日の学校教育の課題として、第一に学力低下問題、第二にLDおよびADHD(以下、LD等)児童の対応を取り上げる。まず、学力低下については日本の子ども現状を述べた上で、その解決策を検討する。また、LD等の児童が普通学級にも多く存在する現状の中で、どのような課題と解決策あるかを考えたい。
第一の問題として学力低下を挙げ、この現状について述べる。この問題が社会的に注目されるきっかけは、2003年にOECDにより実施された「生徒の学力到達度調査(PISA)」であった。2000年の同調査では、数学リテラシー1位・科学リテラシー3位・読解力8位の成績であり、日本の子どもの学力は世界でもトップクラスだと考えられてきた。しかし、2003年には読解力が14位になるなど順位の落ち込みが大きく 。これを機会に日本の教育の教育への議論が盛んになり、ゆとり教育への批判が高まった。このゆとり教育とは、知識詰め込みの反省から、学校で教える内容と授業時間を一部削減する文部科学省の方針のことである。
しかし、学力低下の原因はゆとり教育なのか。日本の子どもの学習時間は世界的に見ても、決して少なくはない。例えば...