コモンズ論について
コモンズについて整理をする。英語のコモン、コモンズは、共有地や公有地とともに、他人の所有物に対する収益権の意味を持っている。また、排他的所有権を超えた関係のもとにあって、共同性や公共性をになう土地や資源、環境のことである。日本の環境論では、コモンズは広い意味での共有の意味でも用いられているが、これは原語の収益権の意味を拡張したものだと考えられる。コモンズ論は、現代の環境問題を、土地や環境としてのコモンズの共同性、公共性を確立する課題ととらえ、共同体的関係の保全ないし新たな共同統治を構想するものである。
よって、これより環境問題について考えてみると、より広域的な制度を必要とするだろう。たとえば、気候やオゾン層のように、これまでにないコモンズが見出されているからである。地球温暖化などのグローバルな環境問題を、管理不在のオープンアクセス的状況のもとで生じた「コモンズの悲劇」ととらえることができる。このようなグローバルコモンズの共同性と持続可能性を確立するためには、京都議定書のようなグローバルな制度とマネジメントが必要である。また、他国籍企業の公害輸出や「コモンズの私有...