スウェーデンの女性思想家であり、自由主義政治家の父、貴族出身ながら過激な思想の母の下に育った為か、ほとんど学校へ通わず、読書と知識人らとの交友を通じて自己の思想を確立していき、教育における児童中心主義運動の一つの発端をつくり家庭教育や婦人運動について多くの著書を残した。
1900年刊行の著書「児童の世紀」で、20世紀こそは児童の世紀として子供が幸せに育つことのできる平和な社会を築くべき時代であると主張した。エレン・ケイは、1900年に『児童の世紀』と題する著書を刊行した。本書は、世界各国で翻訳され、20世紀に世界的広がりを見せた児童中心主義に基づく新教育運動の展開に大きな影響を与えた。
エレン・ケイは、迫り来る20世紀を「児童の世紀」と名づけ、大人のひな形ではない独自な存在としての子供への関心を高め、教育を通してそのような子供の権利が保障されることに大きな期待をかけた。
また、子供について次のように考えている。子供はすべてその持って生まれた本能と素質と個性とを無制限に開発すべきである。子供は決して大人の未完成なものでも未成熟なものでもない。子供の本性は善なのである。従って、子供の全部...