1.カウンセリングのはじめにしばしば沈黙が起こることがある。特に親や先生に無理やり連れてこられた場合である。このような場合カウンセラーにそっぽを向いている場合が多い。自発性を前提とするカウンセリングでは、このような来談者は不向きなのだが、カウンセラーは来談者がどのような状態に置かれているかを理解していれば、自然に相手にも通じるものがあるといえる。
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第 1 課 題 第 1 設 問
1.カウンセリングのはじめにしばしば沈黙が起こるこ
とがある。特に親や先生に無理やり連れてこられた場合
である。このような場合カウンセラーにそっぽを向いて
いる場合が多い。自発性を前提とするカウンセリングで
は、このような来談者は不向きなのだが、カウンセラー
は来談者がどのような状態に置かれているかを理解して
いれば、自然に相手にも通じるものがあるといえる。
沈黙が起こったときにはなぜそのような沈黙が起こった
のかをよく考える必要があるのだ。
沈黙のなかには、治療的に効果のある沈黙もある。まず
①面接の進行調節のための沈黙。日本人は沈黙と空白の
「間」を特に重視するようなところがある。つまり相談
面接の過程を音楽に例えたとき、沈黙は一種の休止符の
ようなものといえる。このような「間」の意味の沈黙で
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ある。②沈黙による焦点付け。沈黙の効果の最大なもの
は、ある瞬間に注意を集中させることだ。すなわちある
人が言った言葉がこだまとして返ってくるのを聞くよう
に、来談者が言ったことを黙って受け止めてあげること
に...