道徳の指導法第1分冊

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    道徳の指導法

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    《明治以降の修身教育》
    (1)修身教育とは明治13年以降重視され、第二次世界大戦以後廃止された、旧学生の教科のひとつである。天皇への忠誠心の涵養を軸に、孝行・柔順・勤勉などの徳目を教育し、現在の道徳教育の始まりとも言える教科である。この修身教育について、明治以降の流れを説明していきたいと思う。
     日本で最初の近代的学校制度が成立したのは、明治5年の学制発布がきっかけである。この学制には「修身」という教科があり、現在の小学校1,2年生に相当する児童・生徒たちが、「修身口授」という授業名で、教師が口で説教をする授業が展開された。教科書は、欧米の書物の全訳か部分訳がほとんどであったが、翻訳書による修身科は普及せず、和書や和書風に書き改められた漢書などの、教訓型往来物の流れをくむ道徳書が使用されていたと言われている。
     明治12年には、明治天皇の侍講の元田永孚と内務卿伊藤博文の間で、「教学大旨」―「教育議」論争が起こる。元田は、西洋流の文明開化のみに走り、東洋の仁義忠孝の道徳心を捨てたため、社会的混乱退廃が生じたと考え、儒教道徳を国教とし国民道徳の基とすべきであると主張。一方伊藤は、品行、風俗...

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