『従来の知識伝達を重視した授業の設計と評価に対して主体的な学習を基本とする授業について設計と評価の特徴を比較し、その比較の視点毎にまとめて授業設計ならびに評価についての留意点を述べよ。』
現在は情報があふれる変化の激しい時代である。そして、これまでの知識伝達を重視した教育から主体的な学習への転換が行なわれている。これまでのように教える知識に価値があった時代であれば、社会への適応を目指すための知識伝達教育でも有効であった。しかし、変化する社会への対応を可能にするための、学習者の主体的な関わりを基本とする教育への方向転換が目指されているのである。
まず、それぞれの授業設計を比較して見ていきたい。これまでの知識を伝達する授業では、知識や技能の獲得がねらいであった。知識を獲得し、必要に応じて取り出すものであり、ゆえに教師がカリキュラムに基づいて、計画的・体系的に生徒の学習方向を決定し指導するものであった。
それに対し主体的な学習では、子ども達が自ら考える力を育成することがねらいである。自らの興味・関心に基づいて、子ども自身によって課題や問いが作られる。そのため教師は、興味・関心を持って取り組...