『ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について 考察せよ』
ペスタロッチーは、子どもは生まれながらに未だ動物的であるに過ぎず、この動物的衝動を根絶することが教育なのであるという古い教育観に真っ向から反対した。真への認識、美の感情、善の力、これらは全て子どもが生まれながら有しているものであり、教育者は子どもの内的本性に備わっていないものを、外部から注入することは教育的にふさわしくないという考えである。ペスタロッチーは「子どもの本性は白紙ではなく、既に将来成長する能力を内的に有している。この能力を自然に即した形で伸ばしていくことが重要である」という有機的・発生的教育方法を述べた。有機的とは、子どもの内的素質を重視するということであり、発生的とは自発的な成長を促していることである。
またペスタロッチーが今日「直観の父」と言われていることから分かるように、「直観」教授が彼を最も特徴づけるものの一つである。ペスタロッチーは直観の原理を教育方法の重要な柱として考えている。直観は全ての認識の基礎であるので、教育方法はまず、直観的でなければならないとされる。しかし、直観ではまだ素材の状態で...