『教育課程とは何かについて、その基準と編成原理、今日的課題についてまとめなさい。』
戦後から現在にかけて、わが国の教育は大きく二つの教育に対する考え方を受けて発展してきた。「経験主義」と「系統主義」である。この二つの教育観は、時として「詰め込み教育」と「ゆとり教育」といった言い方に置き換えられることもあり、様々な議論を呼んできた。各々に一長一短があり、どちらの教育が絶対的に正しいかを述べることは各人によって意見の異なるところであり適切ではないが、日本の教育は時代の社会的背景や問題に応じて方針が変更される中で発展し、現在に至っている。
わが国の教育の方針を位置づけるのが学習指導要領であり、約50年前より10年単位の周期で変更がなされている。戦後まもなくは日本の教育施策はアメリカの指導の下に置かれたものであり、それはデューイの提唱する「経験主義」に基づく教育であったが、戦後の復興とともに日本の社会の実情に合った教育が求められるようになる。1960年代にわが国が高度経済成長期を迎えていた頃には、経済界を中心により高度な知識を持った人材が要求されるようになった。それに伴い教育現場においても...