設題1
世間一般でいう心理学は、いわゆる心理テストといったもの、あるいは人の心を読む研究などとして受け止められているといえる。しかし、学問としての心理学は、例えば視覚
や触覚に関する実験・研究などである。つまり、一般に認識されている心理学と学問としての心理学とは大きく食い違っている。
(1) 一般的な心理学
私達は、自分が心を持ち、また他の人たちも心を持っていることを知っている。そして、日常生活においても心について多くを観察し、実践的な知識を集積している。このようにし
設題1
世間一般でいう心理学は、いわゆる心理テストといったもの、あるいは人の心を読む研究などとして受け止められているといえる。しかし、学問としての心理学は、例えば視覚
や触覚に関する実験・研究などである。つまり、一般に認識されている心理学と学問としての心理学とは大きく食い違っている。
一般的な心理学
私達は、自分が心を持ち、また他の人たちも心を持っていることを知っている。そして、日常生活においても心について多くを観察し、実践的な知識を集積している。このようにして得られた、心についての常識は、他者の心の状態を推測し、説明し、また理解する際に利用される。私達は、「日常の心理学」を構築し、それを応用している、いわば「自然の心理学者」であると言い換えてもよいかもしれない。しかし、「日常の心理学」は、日常的な観点から生じる誤りを含んでいることがある。また「日常の心理学」は、日常の観察から得られるバラバラの知識の集積に過ぎず、知識体系とはなっていないので、現実に応用できる範囲も限られてしまう。
(2)学問としての心理学
「学問としての心理学」は、要するに心の科学である。すなわち、心についての常...