「学校の道徳教育と家庭教育の矛盾」
近代のわが国の社会の特徴ともいえる社会少子化、核家族化は家庭の構成を変化させてきている。子どもを大人が取り囲むような家族構成となり、大人から子どもへの働きかけが家庭のかかわりの中心となる傾向がある。現在の学校の道徳教育では、他者とのかかわりの中から自己を捉えていくことが内容のひとつとされているが、前述した現在の家庭環境の特徴はそれとは矛盾するものといえるであろう。さらに学習塾に通ったり、遊びも兄弟の人数も少なくなりテレビ、テレビゲームで自分の時間をすごしたりする時間が多くなった。家庭の中で子どもは、他者とかかわりあう時間が昔に比べ圧倒的に減少している。道徳...