2.MSWの役割についての考え
まず初めに、病院と施設は大きく違う。障がい者でも、認知症・アルツハイマーの高齢者でも、対応について学んでいる医者や看護士は少ない。記事にもあった通り、障がい者が病院に行って、健常者とは違う対応をされることなんてざらにあるのだ。もしくは、診療・入院拒否をされるという話も聞く。数年で前期高齢者の数がピークを向かえるとの発表もあったが、それは、数十年後には後期高齢者の数もピークに達するということを意味している。つまり、障がいを抱える人が医療機関に通う機会が増加するのである。従って、医療機関において、福祉の知識に精通する人材は今後更に重要視されるだろう。
障害者自立支援法によって障がい者は地域において自立生活が出来るようにサポートされていることを考えると、今のままの医療機関だと非常に危険である、地域に障がい者が出るということは、障がい者が福祉職員と共にではなく、家族もしくは一人で病院に行く機会が増加する。つまり、記事のような状況が多く存在すると、障がい者が診療・入院を拒否され、生命に関る事態に発展することも有り得る。その上、診療・入院の際にこのような問題が生じる医療機関では、恐らく退院後でも問題が生じると考えられる。施設に入所していた障がい者が入院した際、在院日数の関係上、退院後に入所できる施設が無いまま退院させられて途方に暮れてしまう事態になることもある。そこで重要な役割を果たすのが、MSWである。MSWの役割というと、入院患者の相談業務が主だと思われるが、実際には他職種への福祉知識の提供、退院後のサポートが最も重要になってくるのではないだろうか。その中でも、他職種への福祉知識の提供が非常に重要になってくると考える。障がい者も高齢者も今後医療機関に関る機会が増加するということを考えると、医療機関
1.記事 河北新報社、2009年8月4日(火)、一部省略。 URL→http://www.kahoku.co.jp/news/2009/08/20090804t15040.htm
知的障害者の受診、円滑に 仙台・親の会が冊子づくり
仙台市に住む知的障害者らの親の会が、知的障害者がよりよい医療を受けるためのポイントを冊子にまとめた。 医療従事者が障害を十分に理解していないため、診察拒否に合うこともあり、親の苦労は絶えないという。そのため会は調査研究を重ねて、障害者と医療機関と がうまく付き合うこつを簡潔に紹介した。 会員である菅野婦美子さん(51)も5年前に苦い経験をした。知的障害と自閉症のある次男が小5の時、口の上を切るけがをして救急病院に連れて行った。 ところが「問診表に自閉症と記入すると、医師はばんそうこうを差し出して『張ってあげてください』と言うだけで、消毒することもなく、息子に語り掛けることさえしなかった」と振り返る。 目黒さんは「医療機関とのコミュニケーションの取り方は障害のあるなしと関係ないが、いざという時のために頭の中を整理しておくことは大切だ」と話している。
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