日本仏教史 第一設題

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    「奈良時代の仏教の特質を論ぜよ。」
     日本は約9600万人が支持する一大仏教国である。
    約75000の寺院、30万体以上あるといわれる。
    また、仏像に関しては、他の仏教国と比べても桁違いに多い。
    世界最古の木造寺院法隆寺があり、最古の仏典古文書も日本にある。
    一方、現代の日本人は特定の信仰宗教、宗教観を持っていないものが大多数であり、自らを仏教徒と強く意識する機会は少ない。
    奈良時代においては、中国や日本では仏教の発展に伴い律令法の中に僧尼の統制(仏教そのものの統制ではない)を定めた法令(僧尼令)が導入された。
    しかしながら、中国では、仏教の出家が「家」の秩序を破壊するなど、儒教論理に合わないとされ迫害されていた。
    日本では「鎮護国家」の発想の下、「僧尼令」や僧綱・度牒制度が導入されて官僚組織の一員とまでになったのは、興味深いことであり、異質な要因があったからだと言える。
    こうした統制について国家が建立した官寺とそれ以外の貴族や民衆によって建てられた民間寺院(私寺)とでは温度差があったとされている。
    民間寺院(私寺)に対する統制がどこまでの範囲で行われていたかについては、多種多様な意見...

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