人間の性について

閲覧数4,335
ダウンロード数4
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    孟子の時代に人間の本性についての問いが争点となった。孟子説の「人間は生まれもって善である」という性善説。もし赤子が井戸に落ちそうなところを見かけた時、誰でもはっと驚き助けようとするのは人には誰にでも惻隠の心があるからだという。
     荀子説の「人間はもともと悪である」という性悪説。これは人の性はもともと利益を好むはたらきがあり、それに従うので争い、奪い合いが生じ、譲り合いがなくなる。そして生まれながらにして、ねたみ、憎しみのはたらきがあるから、傷つけ合いが生じ、誠実さがなくなる。生まれながらにして耳や目などの欲望があって、快い音声や美しい色を好むので、ふしだらな乱れが生じ、礼儀という文・理をめちゃくちゃにするに至り、暴力沙汰にもなるのだ。だから教育を受けて感化し礼儀を得なければならないのだ。というのが性悪説である。
     次は告子説の「人間の本性は善でもなければ悪でもない」の様に人間の本性は道徳性と無関係だという性無記説。これは「人の本来の性質は、渦巻く流れのようなものだ。東の堰を切り落とせば東に流れ、西の堰を切り落とせば西に流れる。人の本来の性質が善と不善に分けられないのは、堰を切り落とす前に、水が西に流れるか東に流れるかに分けられないのと同じようなものだといっている。だから環境の変化に影響されるという意味である。
     また本性は「性に善・不善あり」という説。これは孟子では主張者の名が記されてないがこれは環境や教育の善悪によって人はよくも悪くもなるという説で、のちの揚雄の、性は善悪が混合しているとする説の先駆といえる。
     最後に「ある本性は善であるし、ある本性は悪である」と主張する者もいた。これは生まれつき性が善である人と悪である人と二種類の人間がいるという主張である。

    タグ

    レポート哲学中国孟子

    代表キーワード

    哲学人間の性

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    人間の性について
    孟子の時代に人間の本性についての問いが争点となった。孟子説の「人間は生まれもって善である」という性善説。もし赤子が井戸に落ちそうなところを見かけた時、誰でもはっと驚き助けようとするのは人には誰にでも惻隠の心があるからだという。
     荀子説の「人間はもともと悪である」という性悪説。これは人の性はもともと利益を好むはたらきがあり、それに従うので争い、奪い合いが生じ、譲り合いがなくなる。そして生まれながらにして、ねたみ、憎しみのはたらきがあるから、傷つけ合いが生じ、誠実さがなくなる。生まれながらにして耳や目などの欲望があって、快い音声や美しい色を好むので、ふしだらな乱れが生じ、礼儀と...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。