『社会認識の歩み』を読んで

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    『社会認識の歩み』を読んで
    学問というものは、とかくハードルが高く感じられる。特に自分が興味がほとんどない分野などに関しては、まるで別世界のことのように感じられる。しかし、よく考えてみると実は、自分の周りの身近なところでも、知らぬ間にそのような技術の恩恵を受けていたり、活用しているものなのだ。今回の課題書では、社会科学を通じて、そのような学問のよそよそしさの原因を探っていきたい。
    本書は、われわれの生活現実の上に立って、それを科学的に処理するところに成立する、社会科学という学問に対して、なぜわれわれ一般の人々にとっては縁遠いものになっているのか、どうすれば社会科学的認識がわれわれ一人一人の中で育ってゆくかを、マキャヴェリ、ホッブス、スミス、ルソーなど、社会科学史上の結節点に位置する先人たちの知的遺産を読み解く試みも通して、模索したものである。
    まず第一部では、日本において、「社会科学というもの」は高度成長させるが、一人一人の中で社会科学的認識の芽が育っていくのを阻止する要因について述べている。初めに、take partの訳語である「参加」という言葉が、本来ある特定の人が、ある特定の部署...

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