マス・メディアは公正、中立であるべきか

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    資料紹介

     この質問に対し、私は「公平、中立な報道であるべき」という立場である。多様な視点・論点からの報道が、多様なメディアからなされる今、メディアの在り方が問われている。加熱する取材合戦、相次ぐ報道被害、そして、いわゆる「やらせ」を巡る問題…など。ほとんどのメディアは公正中立に報道しようとするが、実際には公正中立な報道は出来ていない。どうしても報道する側の主観が入り込むからだ。なぜなら、報道の主たる動力が人間である以上、感情移入がないなどと言い切ることは難しいだろう。そこには、メディアの難しさがあり、報道を受け取る視聴者や読者の難しさがある。人々は情報を得るために、新聞、雑誌、テレビといったメディアに加え、インターネットという手段も持っている。あふれんばかりの情報の中から、事実に近い情報を選び取るためには、視聴者や読者が「目利き」を必要とする。マスコミも、一般世論も、もっと敏感でなければならない。
     昨年7月、本学にてフロンティアが主催する第2回講演会「犯罪被害者と報道」が行われた。その講演会は犯罪被害者と報道の在り方を探るというものだった。1999年11月に『文京区幼女殺害事件』で孫娘を失った松村恒夫氏と元テレビリポーターで、現在は犯罪被害者問題を中心に取材活動を行っているフリージャーナリストの本田信一郎氏が講演を行った。松村氏の孫娘、若山春奈ちゃん(当時2歳)が殺害された「文京区幼女殺害事件」は事件に関する情報が少なく、さまざまな憶測が浮上した結果、被害者ではなく加害者に世論の同情を集める報道となった。松村氏の娘夫婦には全国からひぼう、中傷の手紙が届くなど犯罪の2次被害を受け「常に恐怖を感じていた」と言う。「マスコミの報道が原因でひぼう、中傷を受けたため、メディアが信じられなくなった」と事件後の心境を振り返っていた。

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    【マス・メディアは公正、中立であるべきか】     
    きて、大きな議論を巻き起こしている。
    この質問に対し、私は「公平、中立な報道であるべき」という立場である。多様な視点・論点からの報道が、多様なメディアからなされる今、メディアの在り方が問われている。加熱する取材合戦、相次ぐ報道被害、そして、いわゆる「やらせ」を巡る問題…など。ほとんどのメディアは公正中立に報道しようとするが、実際には公正中立な報道は出来ていない。どうしても報道する側の主観が入り込むからだ。なぜなら、報道の主たる動力が人間である以上、感情移入がないなどと言い切ることは難しいだろう。そこには、メディアの難しさがあり、報道を受け取る視聴者や読者の難しさがある。人々は情報を得るために、新聞、雑誌、テレビといったメディアに加え、インターネットという手段も持っている。あふれんばかりの情報の中から、事実に近い情報を選び取るためには、視聴者や読者が「目利き」を必要とする。マスコミも、一般世論も、もっと敏感でなければならない。
    昨年7月、本学にてフロンティアが主催する第2回講演会「犯罪被害者と報道」が行われた。その講演会は犯罪被害者と...

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