はじめに
戦後世界経済は大きく改編し、ヨーロッパを北アメリカといった資本主義諸国とソ連、東ヨーロッパ、中国を中心にした社会主義諸国に分けられ、それぞれの経済発展を目指した。半世紀あまりが立ち、経済面において、資本主義各国は一層的に経済発展を進めた。その一方、社会主義諸国は経済発展の停滞、あるいは後退の局面に陥った。
ここで、資本主義成立の歴史を振り返ってみると、近代国家と世界市場は不可分に結びついており、両者は表裏の関係の下で発展してきたことは明らかである。戦後、世界市場に背を向け、国家所有や経済統制を基本としてきた東欧、ソ連、中国など多くの社会主義国家は、20世紀末に至ってようやくその弊害に気づき、旧体制を放棄して、「計画経済から市場経済への移行」路線に転換することによって、経済のグローバル化を促進すると同時に、こられ諸国経済を世界市場と結び付けようとする努力を開始した。
特に、30年近くの経済混乱期を終え、経済開放・対外開放以来、20年間の高成長をつつけてきた中国経済の形成と発展は、国際的に注目を集めている。その基本的な理由は旺盛な成長力にある。経済の近代化を目指して1978年末に経済改革の第一歩が踏み出されて以来、GNPの年平均成長率は約9%にも達し、90年代に入ってもむしろ成長が加速している。中国側も最近の経済の動向に大いに自信を深めている。
1992年10月の中国共産党大会では、今世紀の終わりに至る期間の目標成長率が6%から9%に修正された。インフレと引き締め政策のマイナスな影響が懸念されているが、90年代を通じての実質経済成長率が9%を超えていた。従って、21世紀中国が、アジアの新しい「経済大国」となる可能性は高い。
いま中国経済がこの20年余りでの改革の成功の鍵は何かという問題に世界中から関心を集めている。
戦後中国経済について
はじめに
戦後世界経済は大きく改編し、ヨーロッパを北アメリカといった資本主義諸国とソ連、東ヨーロッパ、中国を中心にした社会主義諸国に分けられ、それぞれの経済発展を目指した。半世紀あまりが立ち、経済面において、資本主義各国は一層的に経済発展を進めた。その一方、社会主義諸国は経済発展の停滞、あるいは後退の局面に陥った。
ここで、資本主義成立の歴史を振り返ってみると、近代国家と世界市場は不可分に結びついており、両者は表裏の関係の下で発展してきたことは明らかである。戦後、世界市場に背を向け、国家所有や経済統制を基本としてきた東欧、ソ連、中国など多くの社会主義国家は、20世紀末に至ってようやくその弊害に気づき、旧体制を放棄して、「計画経済から市場経済への移行」路線に転換することによって、経済のグローバル化を促進すると同時に、こられ諸国経済を世界市場と結び付けようとする努力を開始した。
特に、30年近くの経済混乱期を終え、経済開放・対外開放以来、20年間の高成長をつつけてきた中国経済の形成と発展は、国際的に注目を集めている。その基本的な理由は旺盛な成長力にある。経済の近代...