※設題1 歌物語について、代表的な作品をあげて具体的に述べよ。
まず最初に、歌物語で代表的なものに「伊勢物語」が挙げられる。成立時期に諸説があるが、おおむね(平安時代初期)だとされる。その一部に、「万葉集」の「左注」や、「古今和歌集」などにみられるような、和歌の「詞書」に記された出来事と関係がある考えられる。「古今和歌集」と重複する和歌と、「古今集」の詞書を改変したと考えられる賞段や、隣接する和歌同士を配列した部分も見られる。他にも、「伊勢物語」の主人公が在原業平と呼ばれる事はなく、面影ある、あるいは、らしき男と言い表したと考えられる。各章段の冒頭表現に「昔、男・・」と始まり、主人公の男が己の思いを詠みあげた(独詠歌)と、他者と詠み交わした(贈答歌)が格段落の中核をなすと考えられる。次に、内容であるが、各話は、業平と関わらないような田舎人を主人公とする話「筒井筒」なども含まれており、男女の恋愛を中心に、親子愛、主従愛、友情、社交生活の様子が伺えられる。また、主人公を関わる登場人物に匿名の「女」や「人」であることが多いため、単に在原業平の物語であるばかりでなく、普遍的な人間関係の諸相を
※設題1 歌物語について、代表的な作品をあげて具体的に述べよ。
まず最初に、歌物語で代表的なものに「伊勢物語」が挙げられる。成立時期に諸説があるが、おおむね(平安時代初期)だとされる。その一部に、「万葉集」の「左注」や、「古今和歌集」などにみられるような、和歌の「詞書」に記された出来事と関係がある考えられる。「古今和歌集」と重複する和歌と、「古今集」の詞書を改変したと考えられる賞段や、隣接する和歌同士を配列した部分も見られる。他にも、「伊勢物語」の主人公が在原業平と呼ばれる事はなく、面影ある、あるいは、らしき男と言い表したと考えられる。各章段の冒頭表現に「昔、男・・」と始まり、主人公の男が己の思いを詠みあげた(独詠歌)と、他者と詠み交わした(贈答歌)が格段落の中核をなすと考えられる。次に、内容であるが、各話は、業平と関わらないような田舎人を主人公とする話「筒井筒」なども含まれており、男女の恋愛を中心に、親子愛、主従愛、友情、社交生活の様子が伺えられる。また、主人公を関わる登場人物に匿名の「女」や「人」であることが多いため、単に在原業平の物語であるばか...