日立製作所中央研究所見学レポート

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    資料紹介

    6月2日、授業の一環として、株式会社日立製作所の中央研究所を見学に行った。まず、驚かされたのはその敷地の広さだ。説明によると、東京ドーム5つ分もあるらしい。しかしながら、もっと驚嘆すべきは、実際に研究に使われていると思われる建物はそのうちの数パーセントに過ぎず、残りは森や池などの自然が占めていたことだろう。土地の高い都心にあって、このような(経済的に見ると)贅沢な土地利用が出来るのは、さすが日立といったところだろうか。自然を残しているのは、創業者である小平社長の「建物を立てる時は、よい樹木を切らずに必要なら植え換えよ」との指示が現在まで守られているからだそうだ。思わずその言葉をメモしてしまうほどに、素直に素晴らしいと思った。
     見学はまず、3DのCADシステムを見せていただいた。自分は授業で2DのCADを扱ったことがあるが、3Dははじめて見たので驚いた。所狭しと器具がならべられた装置を一台のPCで制御していることもすごいと思う。しかも、各部品をそれぞれ3面図で表示し、工場へ送ることが出来るらしい。とはいえ部品と部品の立体関係を考えなければならない現場では、3DCADの技術は必須だろうなとも思った。大学では習わないこの技術を、日立の人はどこで学んだのであろうか?質問したかったが、機会がなかったので出来なかった。おそらく、師弟関係のような制度で、先輩から盗むのだろうと推測した。
     次に、ものづくりの工場を見学した。自分はプロジェクトで「ものづくりリアル工房」という授業をとっているので、放電加工などは身近な存在であり、驚きはなかった。しかし、コンテストの優勝作品には度肝を抜かれた。複雑な金属機器をわずか10時間で仕上げたらしい。どこの世界も「プロ」はすごいと思った。ものづくりの工場は、金属を削ったりするためか、空気が悪かったような気がする。

    資料の原本内容

    設計システムと産業 第2回レポート
    「工場見学の感想」
    6月2日、授業の一環として、株式会社日立製作所の中央研究所を見学に行った。まず、驚かされたのはその敷地の広さだ。説明によると、東京ドーム5つ分もあるらしい。しかしながら、もっと驚嘆すべきは、実際に研究に使われていると思われる建物はそのうちの数パーセントに過ぎず、残りは森や池などの自然が占めていたことだろう。土地の高い都心にあって、このような(経済的に見ると)贅沢な土地利用が出来るのは、さすが日立といったところだろうか。自然を残しているのは、創業者である小平社長の「建物を立てる時は、よい樹木を切らずに必要なら植え換えよ」との指示が現在まで守られているからだそうだ。思わずその言葉をメモしてしまうほどに、素直に素晴らしいと思った。
     見学はまず、3DのCADシステムを見せていただいた。自分は授業で2DのCADを扱ったことがあるが、3Dははじめて見たので驚いた。所狭しと器具がならべられた装置を一台のPCで制御していることもすごいと思う。しかも、各部品をそれぞれ3面図で表示し、工場へ送ることが出来るらしい。とはいえ部品と部品の立体関係を考えなければならない現場では、3DCADの技術は必須だろうなとも思った。大学では習わないこの技術を、日立の人はどこで学んだのであろうか?質問したかったが、機会がなかったので出来なかった。おそらく、師弟関係のような制度で、先輩から盗むのだろうと推測した。
     次に、ものづくりの工場を見学した。自分はプロジェクトで「ものづくりリアル工房」という授業をとっているので、放電加工などは身近な存在であり、驚きはなかった。しかし、コンテストの優勝作品には度肝を抜かれた。複雑な金属機器をわずか10時間で仕上げたらしい。どこの世界も「プロ」はすごいと思った。ものづくりの工場は、金属を削ったりするためか、空気が悪かったような気がする。換気をもっとすると、健康によいのではないか、と思った。
     最後に、電気系の研究室を見学した。予算があまり回ってこないらしく、PCも旧型だし、壊れたオシロスコープが「修理用」として大量に棚に並べられていた。どことなく人間味があって見学した中では一番楽しかったが、予算が少ないというのは研究において、死活問題であると思う。日立という大企業であるからまだしも、自分が一般の企業に就職したならば、よほどよいプロジェクトを提案しないと予算は回ってこないのだろうなと思った。
    最後に、会議室で様々な最先端技術についての説明を受けた。センサネットは、技術を公開できないらしく、「解説者の今に至るまで」を聞くことになったが、それはそれで面白かった。大学での授業で得た知識は、将来技術者になる上にとても役に立つとのこと。わかってはいたが、ついついサボってしまうので、身の引き締まる思いがした。指の静脈パターンを用いた生態個人認証技術はしっかりと説明していただき、大変興味深かった。ただ、指紋がその気になればすぐに採取できるように、指の静脈も第三者に採取されないかが大変不安である。警察は、犯人のめぼしがついたら、その犯人の持った空き缶などから指紋を検出するという。同じような手口で、例えば、体脂肪計のようなものに指の静脈認証技術を忍ばせておけば、いくらでも静脈の個人情報が分かる気がする。指の静脈が認証システムになると、静脈のパターンも個人情報の一つとなるので、法律もそのあたりの整備を急がねばならないと思った。
    総じて、有意義で楽しい見学であった。改善点をあげるならば、先にも述べたように、第一に工場の換気をもっとすること。少なくとも、見学者にはマスクが欲しいと思った。第二に引率の方の声が小さく、ほとんど聞こえなかったので、メガホンのようなものを持ってもらえるとありがたかった。第三に、工場見学の趣旨からははずれるが、せっかくだから天皇からいただいたという白鳥の子孫を見てみたかったな、と思う。

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