倉橋惣三の保育者論とは大正デモクラシーが広まる中、自由主義教育が盛んになり、明治以来幼稚園教育界を支配していた、形式的、権威的になっていたフレーベル主義から開放して、幼児の生活にかなった保育を実現したものである。では形式的になる前のフレーベルが唱えた教育理論とはどのようなものだったのだろうか。
フレーベルは十五歳のとき、ザーレ河畔にあるヒルシェンベルクの林務官の弟子になり植物学を学び、イェナ大学に進学すると数学、幾何学、鉱物学、植物学、栽培、建築学、測量額などを学ぶことを通して多様における統一、力および生命の親族関係、物質における生命、さては緒力と生命法則とを認識している。フレーベルの園丁...