仕事と暮らしの情報クリップ
【月刊】
<無料公開版>
┃i Finance
2009年9月号
<メッセージ>
「これからどうやって、この社会(カイシャ+人生)を生き延びていくのか」。
こういう漠然とした、けれども切実な、あふれる思いが人々の心を満たしています。
新聞が読まれなくなってきたのにも、自動車が買われなくなってきたのにも、理由があります。時代がそうさせる、大きな変化がそこにはあるのです。
能力を育成し人生を切りひらいていく、それを自力で、と要求される、そんな時代に、わたし達はいます。
必要なのは自分の生活に寄り添った具体的な情報。それも細切れではない、時代の変化を俯瞰する視点で選ばれ、他の人とは違う情報の読み方を提供するコメント。「仕事と暮らしの情報クリップ」がお届けしたいのは、そういうコンテンツです。
その視点や読み方の質感は、どうぞ「無料公開版用 付録 巻頭コラム」で、お確かめください。
「無料公開版用 付録 巻頭コラム」
(1)もうひとつの「ツインタワー」
(2)「時価会計」と「格付け」
(3)「自己資本/資本調達/リスク管理」と「流動性/資金調達/資金繰り」
(以上無料公開版 ┃iFinance 09年09月号 )
(4)米国債の信認の危機
(5)ドルの基軸通貨性の喪失
(6)多様性と相互依存の世界
(以上無料公開版 ┃iGlobal 09年09月号 )
【仕事と暮らしの情報クリップ】は、忙しいあなたのための情報コンシェルジェ。毎月一度厳選したコンテンツをお届けします。
ネットに公開される無数の情報の中から、信頼性が担保されているコンテンツに絞ったうえで、仕事と暮らしの目線でこれを選別、編集したクリップ集。
その内容を、独自の視点から「60文字以内コメント」で紹介。
構成:タイトル + URL + コメント
全部で5種類。興味にあわせ、お選びください。
(順次、カテゴリーを拡大してゆきます。お楽しみに)
┃iBusiness
マーケティング、IT、ビジネスモデル、経営、産業論など
┃iEconomy
景気、成長と生産性、経済、環境、資本主義論、経済法など
┃iFinance
金融、会計、税制、財政、地方分権、社会保障、金融工学、金融業など
┃iWorks
雇用、人事、キャリア、働くって?、年金、シニア、人口動態、地域経済など
┃iGlobal
米国、中国、ロシア、EU、東欧、アジア、BRICsなど
┃iFinance ①
金融、会計、税制、財政、地方分権、社会保障、金融工学、金融業など
●ドル過剰とドル不足のおかしな並存:小島明のWebコラム
http://www.jcer.or.jp/column/kojima/index142.html
米国金融機関自身が自国市場でドルを調達できない異常事態が発生。これがドル高の背景。構造的なドル過剰。
●日本株投資戦略~「環境・電池バブル」の様相が強まる
http://www.sc.mufg.jp/inv_info/ii_report/fj_report/pdf/fj20090622.pdf
「電池」の二文字が見えると過剰に反応。過去には「ITバブル」「制癌剤バブル」などが。当面の本命エコカーはハイブリッド。
●金融危機発生後の世界の投資信託の動向
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/shima/pdf/s_0906q.pdf
世界のETF資産は、2年以内に1兆ドルを超える。当面はMMFの資金がいつ株式市場に戻ってくるかが焦点。
●潮流:資金決済分野における事業会社の進出
http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/f0907sea.pdf
銀行も顔負け。電子マネーの利用拡大、ネット上の取引の決済手段。さらに、収納代行や代金引換サービスなどの小口決済サービス。
●電子マネーは今後も成長するか?~「国民1人1枚時代」を迎える電子マネー
http://www.sumitomotrust.co.jp/RES/research/PDF2/699_3.pdf
少数派の個人の手元に複数枚の電子マネーが偏在する構図。「国民1人1枚時代」には遠い。特に地域格差が激しい。
●アジアの地域金融協力~ASEAN+3とチェンマイ・イニシアティブのマルチ化
http://www.mof.go.jp/finance/f2106d.pdf
「チェンマイ・イニシアティブ(CMI)の枠組みにおける二国間通貨スワップ取極の現状」の図表が圧巻。思いのほか進捗。
●投資教育という呪文
http://www.nli-research.co.jp/report/report/2009/07/repo0907-C.pdf
ある新製品が売れない理由を、「消費者の新製品の知識不足」と言ったら、そっぽを向かれる。金融商品だってそうだろう。
●図表でみる年金2009 (日本語概要)
http://browse.oecdbookshop.org/oecd/pdfs/browseit/8109087E5.PDF
海外では「私的年金」にも大きな役回りが。公的と私的、賦課方式と積立方式、個人向けと団体向けなど、多様性の確保が重要。
●ワールド・インシュアランス・レポート 2009
http://www.keieiken.co.jp/services/financial/WIR09/pdf/WIR2009_Japanese.pdf
成熟した保険市場においては、多様なネットワークを通じた「マルチプル販売」が強力な成長モデルとなりうる。
●大手生命保険会社の2009年3月期決算について
http://www.jcr.co.jp/top_cont/report_desc.php?no=09d0283
運用が厳しい。08/3期における順ざやから、09/3期には逆ざやへ。10/3期以降も、保有株式の減配が利息及び配当金等収入の圧迫要因。
※有料版は3~4倍のコンテンツで、
時代の変化を俯瞰する視点と、
他の人とは違う情報の読み方を
「カテゴリー:ニュース」で販売中。
produced by 神宮司信也
月刊誌「ビジネスパーソンのための情報カプセルMOVE」の クリップパートナー 兼 コラムニスト
<無料公開版用 付録>
パブリック・ジャーナリスト 記事
米国債の危機とドルの危機
~もうひとつの「ツインタワー」
(08年09月)
(1)もうひとつの「ツインタワー」
(2)「時価会計」と「格付け」
(3)「自己資本/資本調達/リスク管理」と「流動性/資金調達/資金繰り」
(以上無料公開版 ┃iFinance 09年09月号 )
(4)米国債の信認の危機
(5)ドルの基軸通貨性の喪失
(6)多様性と相互依存の世界
(以上無料公開版 ┃iGlobal 09年09月号 )
(1)もうひとつの「ツインタワー」
私達は丁度、米国東部時間午前9時の時点に立っているのかもしれない。
7年前の9月、俗に言う「9.11」事件が発生、世界貿易センタービルの2棟(「ツインタワー」)が崩壊した。今、目の前で起きている金融界の混乱は、長期金利の基準債券である米国債と、世界貿易の基軸通貨であるドルという、ふたつの棟、もうひとつの「ツインタワー」が崩壊する直前の出来事なのかもしれないからだ。
それにしても先週一週間は世界の金融界にとって怒涛の一週間だった。
9月15日、米証券大手4位のリーマン・ブラザーズが、日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11条を申請し、経営破綻した。同時に、メリルリンチがバンカメに買収されて名前が消えることになった。たった1日で4大投資銀行のうち2つが消えてしまったことになる。さらに17日には世界最大の保険会社であるAIGの経営危機が深刻化し、FRB(米連邦準備制度)から9兆円の融資を受け、自社株の8割を押さえられ、実質的に政府の公的管理下で救済されることになった。
しかしそれでも金融市場の動揺は収まらない。米証券第2位のモルガン・スタンレーも身売り先を探していると公然と報道される始末。
疑心暗鬼をとにもかくにも止めないといけない。そのためには個別金融機関の保有する金融資産の中で、猜疑の目で見られている資産をとにかく切り離そう。不信の渦から、金融機関を救い上げようというのが、9月19日米国政府が打ち出した金融安定化対策だったが、しかしことはそれほど単純ではなかった。
■関連情報
・Global credit system suffers cardiac arrest on US crash
http://www.telegraph.co.uk/money/main.jhtml?xml=/money/2008/09/18/ccambrose118.xml
(2)「時価会計」と「格付け」
この度の金融危機、金融システムの問題が難解なのは、二つの問題群があり、しかも相互に入り組んでいるから。二つの問題群とは「自己資本/資本調達/リスク管理(問題群A)」と「流動性/資金調達/資金繰り(問題群B)」である。そしてこのふたつの問題群の仲立ちをするのが「時価会計」と「格付け」。
90年当たりから、企業会計は世界的に、資産を時価で評価するようになった。これは企業の過去の事業力の成績表として、同時に将来の事業力の源泉として、「自己資本」が注目されたからに他ならない。正しく過去の成績と企業の将来性を把握するには、正しく自己資本を計測する必要がある。そのためには自己資本・...