社会保障論「社会保障の役割と機能について」

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    「社会保障の役割と機能について」
     「社会保障」というものを知っているだろうか。社会保障とは、イギリス起源の公的扶助(政府による社会的弱者に対する経済援助)と、ドイツ起源の社会保険(社会保険料と財政負担による公的保険)を統合したもので、アメリカで初めて確立されたものある。それは、政府が財政負担及び社会保険料により国民の最低限度の生活(ナショナル・ミニマム)を保障する制度として誕生した。
     では、この社会保障の目的や役割、機能はどのようなものなのだろうか。我が国の社会保障に焦点をあて、述べていく。
     1950年社会保障制度審議会勧告では、「社会保障制度とは、疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子その他の困窮の原因に対し、保険的方法又は直接公の負担において経済保障の途を講じ、生活困窮に陥ったものに対しては、国家扶助によって最低限度の生活を保障するとともに、公衆衛生および社会福祉の向上を図り、もってすべての国民が文化的成員たるに値する生活を営むことができるようにすることをいうのである。」と定義している。
     社会保障の目的は、憲法25条の生存権で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の...

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