「青森県の産業構造の現状と課題,そして未来について」
青森県の1人当たり県民所得を見ると,下から2番目に位置し,その経済状況の厳しさがうかがえる.本県の産業構造を見るに当たりまず,県内総生産を眺めると,その産業構造の特徴が見えてくる.
まず,本県は第3次産業への依存度が高いことが大きな特徴である.多くの県民がそのイメージとして農業・漁業が本県の主要産業であると認識する傾向にあるのに対して,国内総生産に比べると2倍以上と構成比は高いが,県内の他産業と比較した場合には,農業・漁業が占める割合は高いわけではなく,第3次産業が約6割を占めるという状況にある.
また,本県のもう一つの特徴としては,製造業の低迷と建設業への依存度が高いということである.
つまり本県は,製造業が全国に比べ見劣りしており,そのことが経済を低迷させ,結果,財政支出によって経済体質の脆弱さを補っているということがいえる.
では,より具体的に各産業別にその状況を見ていくこととする.まずは,製造業についてだが,先ほども述べたとおり,県内の製造業は総生産で見る限り全国と2倍の差が生じている.
総生産に占める製造業の総生産の割...