キボキアン氏の行動の是非について述べ、さらに安楽死の合法化についてあなたの意見を述べなさい。
まず「安楽死」とは、末期がんをはじめとした「治療不可能」かつ「苦痛が強い」疾患の患者を救済するため、医師などが積極的にあるいは消極的手段によって死に至らしめることである。QOL悪化防止の手段が死亡でしかない場合の最終手段であるといえる。
これを踏まえ、キボキアン氏の行動の是非について、「積極的安楽死」、「消極的安楽死」、「尊厳死」、「ターミナルケア」の4つの項目から考えていきたい。
①積極的安楽死とは、薬を投与するなどの積極的方法で死期を早めることで、医療の名の下に行われる自殺幇助ということになり、社会からの抵抗が大きく、日本を含む多くの国では刑事犯罪として扱われる。
②消極的安楽死とは、無意味な延命治療、努力をしないで死に至らしめることである。尊厳を保つ意味からも合理的で社会的に認知されており、実際の医療現場で暗黙のうちに広く行われる。
③尊厳死とは、人が人としての尊厳を保ったまま死に臨むことである。本来、病死を含む自然死であれば、人間は尊厳を保って死ぬことができるはずである。し...