広告論 分冊 1

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     広告は多様な相をもつ社会現象である。広告には批判側と擁護側の2種類が存在し、その中での広告批判者の多くは広告について、イメージの流布と生産性、それに伴うイメージ操作といったネガティブな側面を強調する場合が多い。このような見方には、消費者が広告誘導に対して弱いという前提がある。しかし私達はイメージや言葉に積極的に働きかけ、意味を創造し、それを日常生活に練りこんでいく文化的行為の実践者である。
     広告を論ずる人は社会的なものと経済的なものとの区別を強調する。経済活動の中の広告としての経済機能は、商品広告の機能を対象としていて、主なものは、需要創造、産業集中、流通・営業費用削減、価格低減、所得再配分などである。これらの機能の程度と方向は、製品ライフサイクルの段階や郷酒、企業の競争地位によって異なる。
     マクロ経済への影響としては広告が需要を刺激し経済成長に寄与したり、経済波及効果という形で世の中の経済状況を潤すことが上げられる。景気に左右されることなく継続的に一定の広告費を投入している企業は、そうでない企業よりも高い収益性を確保し、不況からの立ち直りも早いとされている。またマクロ経済への逆...

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