地政学を通して考える日本の戦略

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    地政学を通して考える日本の戦略
     現在、世界の覇権はアメリカの圧倒的な力によって握られている。日本単独はもちろん、世界中のどの国と協力しようと、日本がアメリカに代わって世界の覇権を握ることは不可能である。よって日本の取るべき戦略はただ一つ、アメリカ追従である。しかし、ただアメリカに追従しているだけでは日本の国益にならない。そこで地政学を用いて、どうすればアメリカに追従しながら日本の国益を追求できるかを探る。
    まずは日本の役割である。冷戦において東欧を制するための最重要拠点は前線基地のイギリスであり、橋頭堡であるフランスだった。これと全く同じ働きをしているのが日本と韓国である。英仏がロシアを制するとすれば、日韓が中国を制しているのである。この構造が崩れない限り、ランドパワーのロシア・中国に全く引けをとることはない。さしずめ、日英はハートランド最前線にある「巨大不沈空母」といったところだ。そして、橋頭堡に仏韓を持っていることでシーパワーの威力は最大限に発揮される。
    また、ここにパン・リージョン論を用いれば、この構造がいかに世界に秩序をもたらすかがわかる。カール・ハウスホーファーの考える汎ア...

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