1.目的
ロボットは生産現場で既に広く普及しており、現在では一般家庭に向けた応用やより人間に近づけるための二足歩行などの研究が進められている。本実験では、実際にロボットを制御するプログラムを作成することによりロボットの構造を理解し、ロボットを動作させるために必要な知識を身に付け、あわせてメカトロニクスにおけるハードウェアとソフトウェアの関係を理解することを目的とする。
2.解説
ロボットシステムは一般に、人間の手や足に相当する機能を持つ動作部、人間の五感に相当する機能を持つ認識部、人間の脳に相当する機能を持つ制御部からなる。各部分の能力はロボットごとに異なるが特に動作部と認識部はハードウェアに強く依存しており、ロボットの基本的な能力はこれらによって決まる。以下では、本実験に用いるロボットシステムを中心に、ロボットシステムの全体像について解説する。
ロボットの動作部(マニピュレータ)はいくつかのリンクが関節によって結合されている。マニピュレータによく用いられる関節には回転関節と直動関節がある。これらの関節を適当な動作機構(アクチュエータ)によって駆動することでリンク機構の先端を動作...