full-wave_circuit_1

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    資料紹介

    (Full-Wave Circuit)
    21 1 26
    1
    1.1 問題
    次の回路の入出力の関係を求めよ。また、オフセット電圧が
    Amp.1に加わっている場合の動作を確認せよ。
    Fig.1全波整流回路
    1.2 入出力関係 (オフセット電圧なし)
    まず、全波整流回路の動作から考えて、入力電圧の場合分けを
    行う。Vin > 0 の場合の等価回路を表すと
    Fig.2Vin > 0 の場合
    入力電圧が正のため、点4→点5に電流は流れない。また、Amp.2
    のプラス側への入力もインピーダンスが無限大のため、電流は流
    れないと考えることができる。したがって、Fig.2に示した電流経
    路を考えた場合、点 3 での電圧 (V3とする)は、点1での電圧の反
    転増幅となるため
    V3 =
    R2
    R1
    Vin (1)
    Amp.2のプラス側の入力は、Amp.1のマイナス側の入力と繋
    がっているため、Amp.1でのバーチャルショートを利用して、グラ
    ンドにつながっていると考えることができる。したがって、Amp.2
    も Amp.1と同様に反転増幅となるため
    Vout =
    R6
    R4
    V3 (2)
    したがって

    資料の原本内容

    全波整流回路の動作検証
    ― 全波整流 (Full-Wave Circuit) ―
    増成伸一
    平成 21 年 1 月 26 日

    1

    整流回路

    1.1

    問題

    Amp.2 のプラス側の入力は、Amp.1 のマイナス側の入力と繋
    がっているため、Amp.1 でのバーチャルショートを利用して、グラ
    ンドにつながっていると考えることができる。したがって、Amp.2

    次の回路の入出力の関係を求めよ。また、オフセット電圧が

    も Amp.1 と同様に反転増幅となるため

    Amp.1 に加わっている場合の動作を確認せよ。

    Vout = −

    R6
    V3
    R4

    (2)

    したがって、式 (2) に式 (1) を代入すると

    Vout

    R6 R2
    (− )Vin
    R4 R1
    R2 R6
    Vin
    R1 R4

    = −
    =

    (3)

    次に、Vin < 0 の場合を考えるが、Vin > 0 の場合と同様に等価
    回路を考えると Fig.3 のようになる。

    Fig.1 全波整流回路

    1.2

    入出力関係 (オフセット電圧なし)

    まず、全波整流回路の動作から考えて、入力電圧の場合分けを
    行う。Vin > 0 の場合の等価回路を表すと

    Fig.3 Vin < 0 の場合

    ダイオードのオン、オフについては、Vin > 0 の場合と同様に
    考えることができる。
    ここで、Amp.2 のバーチャル・ショートを考えると点 4 の電圧
    と点 6 の電圧は等しい。また、点 2 での電圧は Amp.1 のバーチャ
    ル・ショートより 0 となる。したがって、添え字を経路とした電
    流 (I52 , I21 , I92 ) および各点での電圧を仮定すると

    Fig.2 Vin > 0 の場合

    V4

    = V6

    I21

    = I52 + I92

    Vin

    = R1 I21

    れないと考えることができる。したがって、Fig.2 に示した電流経

    V4

    = R3 I52

    路を考えた場合、点 3 での電圧 (V3 とする) は、点1での電圧の反

    V6

    = (R2 + R4 )I92

    Vout

    = R6 I92 + V6

    入力電圧が正のため、点 4 →点 5 に電流は流れない。また、Amp.2
    のプラス側への入力もインピーダンスが無限大のため、電流は流

    転増幅となるため

    V3 = −

    R2
    Vin
    R1

    (4)

    のように表せれる。式 (4) より I92 , V6 を抵抗と入力電圧で表せれ

    (1)

    持つものとする。

    ば良いことがわかる。

    I92
    I12
    I52

    基本的には、1.2 項でのオフセット電圧がないものと同じように

    = −I52 + I12
    Vin
    =
    R1
    (R2 + R4 )
    =
    I92
    R3

    考える。また、抵抗は今回すべて R として考えることにする。
    まず、Vin > 0 のときの Amp.1 での関係式を求めると

    したがって

    =

    2Vof f
    I92
    I92

    (R2 + R4 )
    Vin
    I92 −
    R3
    R1
    R3
    = −
    Vin
    R1 (R2 + R3 + R4 )
    = −

    したがって、

    V3 = 2Vof f − Vin

    (5)

    =
    =
    =
    =

    V6

    R3 I52
    R2 + R4
    R3
    I92
    R3

    =
    =

    R3
    Vin )
    R1 (R2 + R3 + R4 )
    R3 (R2 + R4 )

    Vin
    R1 (R2 + R3 + R4 )

    (R2 + R4 )(−

    Vout R + V3 R
    2R
    Vout + V3
    2

    今回、Amp.2 のプラス側の入力は、Vof f なので

    V6 = Vof f

    (6)
    したがって

    式 (4) に、式 (5),(6) を代入すると

    2Vof f = Vout + V3
    −R3 R6
    R3 (R2 + R4 )
    Vin −
    Vin
    R1 (R2 + R3 + R4 )
    R1 (R2 + R3 + R4 )
    式 (11) に式 (10) を代入すると
    R3 R6 + R3 (R2 + R4 )
    Vout = −
    Vin
    (7)
    R1 (R2 + R3 + R4 )
    2Vof f = Vout + 2Vof f − Vin
    最終的な解を整理すると、式 (3)(7) より
    Vout

    (10)

    次に、Amp.2 についての関係式を求めると

    また、V6 は、

    V6

    V3 R + Vin R
    2R
    V3 + Vin
    =
    2
    = V3 + Vin

    Vof f

    =

    Vout

    =

    Vout

    =

    R2 R6
    Vin
    R1 R4
    R3 R6 + R3 (R2 + R4 )

    Vin
    R1 (R2 + R3 + R4 )

    Vin > 0

    (11)

    (12)

    したがって

    Vin < 0

    Vout = Vin

    (13)

    次に、Vin < 0 の場合について考える。これも基本的には、1.2

    抵抗 R = Rn (n = 1, 2, 3, 4, 5, 6) とすると

    項での考え方と同様である。

    Vout

    = Vin

    Vout

    = −Vin

    Vin > 0

    (8)

    Vin < 0

    (9) Amp についての関係式を求めると以下のようになる。

    各経路に電流を仮定(電流の仮定は 1.2 項と同様とした)し、各

    I21 = I54 + I92

    となり、全波整流回路の条件を満たしていることが分かる。

    V4 = V6

    1.3

    V4 − RI54 = Vof f

    入出力関係(オフセット電圧あり)

    V6 − 2RI92 = Vof f

    次に、点 2 にオフセット電圧がある場合を考える。Fig.4 にその

    Vof f − RI21 = Vin

    図を示す。オフセット電圧の条件としては |Vin | > Vof f の関係を

    Vout − RI92 = V6

    (14)

    整理すると

    I21
    I54

    Vof f − Vin
    R
    = 2I92

    =

    上式から I92 , V6 を求めると

    Fig.4 全波整流回路(オフセット電圧あり)

    Vof f − Vin
    = 2I92 + I92
    R
    Vof f − Vin
    I92 =
    3R

    (15)

    したがって、V6 は

    V6

    = Vof f + 2R

    Vof f − Vin
    3R

    2
    = Vof f + (Vof f − Vin )
    3
    5
    2
    =
    Vof f − Vin
    3
    3

    (16)

    式 (14) に式 (15)(16) を代入すると

    Vout

    5
    2
    Vof f − Vin
    + Vof f − Vin
    3R
    3
    3
    1
    5
    2
    =
    (Vof f − Vin ) + Vof f − Vin
    3
    3
    3
    = 2Vof f − Vin
    = R

    (17)

    最終的な解は

    Vout

    = Vin

    Vin > 0

    (18)

    Vout

    = 2Vof f − Vin

    Vin < 0

    (19)

    式 (18)(19) を見て分かるように Vin > 0 のときは、オフセット
    電圧がない時と変わらないが Vin < 0 のときは、オフセット電圧
    の2倍ずれてくることがわかる。

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