河井継之助の精神
―陽明学から学ぶ現代の理想のリーダー像―
三年О組二十三番 高橋涼介
担当教員 阿久沢武史先生
第一章 序論
時は江戸時代末期。幕末と呼ばれる社会が混沌としていた時代である。また、この圧倒的な西洋文明の強大さに西国藩を中心に日本が気づき始め、また日本全体が改革へと動き出した時代でもある。現代の日本も幕末と同じように複雑な時代である。混乱の時代を昔の人はどのようにして乗り切ったのであろうか。
混乱に満ちた時代の中で越後長岡藩という江戸からも西国からも遠い小国に英雄と呼ばれる男、河井継之助が現れる。この河井継之助は遅咲きながらも主君の信頼を勝ち得、藩のトップにまで登りつめる。そして藩改革
へ着手。長岡藩を強国へと改革させて、さらには先進的発想で長岡藩を導
こうとした人物である。
この河井継之助という男を知っている人は少ないのではないだろうか。河井継之助は司馬遼太郎著の『峠』で注目を浴びるようになったが、他の幕末を生きた人間に比べて、知名度や認知度は低いと感じる。ではこの男の特徴はなんだろうか。幕府側でもなければ新政府側でもない。武功があったわけでもない。私が着目する点は...