第13回 レポート課題 「事実の錯誤(2)」
ケース
Aは、Xの彫像を損壊する意思でライフル銃を発砲したところ、弾丸がそれて友人Yに当たり、Yが死亡した。Xの罪責について、厳格な構成要件的符合説、抽象的符合説、法定的符合説からの結論を比較し評論せよ。
はじめに、①厳格な構成要件的符合説、②抽象的符合説、③法定的符合説、それぞれの考え方を明記する。まず、①についてであるが、これは、故意の認識対象たる事実は、各構成要件ごとに完全に異なるとするものであり、これに従えば、ほとんどの場合、A罪の未遂と過失によるB罪しか認められない。次に、②についてで...