事例問題 因果関係
(1) 被告人Xは,平成16年3月6日午前3時40分ころ,普通乗用自動車後部のトランク内に被害者Aを押し込み,トランクカバーを閉めて脱出不能にし、同車を発進走行させた後,呼び出した知人らと合流するため,大阪府岸和田市内の路上で停車した。その停車した地点は,車道の幅員が約7.5mの片側1車線のほぼ直線の見通しのよい道路上であった。
(2) 上記車両が停車して数分後の同日午前3時50分ころ,後方から普通乗用自動車が走行してきたが,その運転者Yは前方不注意のために,停車中の上記車両に至近距離に至るまで気付かず,同車のほぼ真後ろから時速約60㎞でその後部に追突した。これによって同車後部のトランクは,その中央部がへこみ,トランク内に押し込まれていた被害者Aは,第2・第3頸髄挫傷の傷害を負って,間もなく同傷害により死亡した。
被告人Xは、監禁致死罪の罪責を負うか。監禁行為と致死結果との因果関係の有無を中心に論ぜよ。
本問において問題となる場面は、Xによってトランク内に閉じ込められたAが、Xとは関係のないYが運転する車に追突され、死亡したという事実において、Xに監禁致死罪(...