民法 任意規定の存在意義について

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    任意規定の存在意義について論じなさい。
     近代社会では、法的安定性が重視されるため、第一次的な裁判規範として制定法が優先する(成文法主義)。しかし、すべての成文の法律規定が等しく裁判規範となるわけではなく、「強行規定」といわれる直接に裁判規範になるものと、「任意規定」といわれる間接的な裁判規範になるものに分けられる。
     強行規定とは、抽象的には、私人の意思によって変更することを許さない事項(「公の秩序」)を定めて個人の契約の自由を排除している規定をいう。強行規定の追求する政策目的は、公益保護や一方当事者の私益保護などさまざまであるが、強行規定に反する法律行為はそのことによって直ちに無効とされる。民法の規定については物権編、親族編、相続編の規定が概ね強行規定とされる。
     これに対し、任意規定は、「法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときはその意思にしたがう」(民法91条)と規定されているところにより、これと異なる内容を当の法律行為の中で定めてもよいとされる。例えば、法律行為の中で「契約」を取り上げると、民法614条に借家の家賃は月末に後払いで支払わなけれ...

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