環境経済学 中間レポート
直接規制とは汚染物質の排出を規制するものであり、命令統制型(command and control)の政策手段である。日本国内で以前から継続して使用されてきた手段であり、環境基準(健康や生活環境の上で望ましい基準)を設定し、その基準を超えた汚染発生者に政府が直接的に行動を命令して排出の規制をするものである。その方法として、汚染物質の排出総量に対して一定の上限を設ける排出総量規制や、環境資源投入係数(汚染物質排出係数)を制限する排出基準規制がある。法律としては99年に制定されたダイオキシン類対策特別措置法があげられ、直接規制はその理由が一般に理解され易い。ただし、多額のコストがかかるというデメリットがあげられ、費用対効果の問題がある。アメリカでは企業が排出規制を進めており、アーリー・アクションといわれる過去の削減を考慮した規制を行ったり、キャップ&トレード(企業が排出規制を推進しているもの)がある。
<図1>企業の収入と費用
直接規制では社会的に最適な量(経済活動によるプラスの効用から汚染物質へと汚染物による不効用を差し引いたものを最大にする量)へと排出量を...